本日の通読箇所「使徒言行録23:6~11」
パウロがこう言ったので、ファリサイ派とサドカイ派との間に論争が生じ、最高法院は分裂した。
(使徒言行録23章7節)
ユダヤ教には、大きな二つの勢力がありました。一つはファリサイ派、もう一つはサドカイ派です。パウロはファリサイ派に属していました。この二つのグループには同じユダヤ教であるにもかかわらず、相容れないことがありました。
それはサドカイ派がモーセ五書と呼ばれる創世記から申命記までを正典として認めていたのに対し、ファリサイ派は旧約聖書全体を受け入れていたということです。そのためダニエル書やイザヤ書はファリサイ派だけが正典としていました。
その結果、サドカイ派は天使も復活も霊もないのだと考えていたのです。パウロはそのことを当然知っていました。あえて復活を話題にすることで議会の混乱を狙ったのかはわかりませんが、ファリサイ派の人たちは結果的にパウロ寄りになったようです。