9月29日(日)午後2時半より、礼拝堂において、礼拝堂(会堂)耐震対策工事の起工式が行われました。 当日は、奈良県、奈良市の文化財担当の方々、工事関係者の方々の参加を得て、これまでの歩みに感謝し、工事が無事に完成することをお祈りしました。
主がすべての霊を奮い立たせられた
ハガイ書1:7-8、13-14
日本聖公会 奈良基督教会礼拝堂
耐震対策工事 起工式
2019年9月29日
聖霊降臨後第16主日
奈良基督教会にて
ハガイ書 第1章7節から
7 万軍の主はこう言われる。お前たちは自分の歩む道に心を留めよ。8 山に登り、木を切り出して、神殿を建てよ。わたしはそれを喜び、栄光を受けると、主は言われる。
13 主の使者ハガイは、主の派遣に従い、民に告げて言った。「わたしはあなたたちと共にいる、と主は言われる。」
14 主が、ユダの総督シャルティエルの子ゼルバベルと大祭司ヨツァダクの子ヨシュア、および民の残りの者すべての霊を奮い立たせられたので、彼らは出て行き、彼らの神、万軍の主の神殿を建てる作業に取りかかった。
奈良基督教会礼拝堂の耐震工事を始める起工式に当たり、ここまで導いてくださった主なる神さまの名を賛美しますとともに、今日に至るまでさまざまな労苦を引き受けてくださった方々、支援をしてくださった方々に心からの感謝をささげます。
今読みましたのは旧約聖書の終わりのほうに収められている預言者ハガイの書物の一節です。彼、ハガイは、遠い昔、エルサレムの神殿の再建のために力を尽くし、また皆を励ました預言者です。
エルサレムの神殿はイスラエルの王ソロモンの時代に完成し、人びとの心と生活の拠り所でした。しかしその後、東側から勢力を伸ばしてきたバビロニア帝国によって破壊されてしまいました。人びとはこれによって大きな打撃を受け、嘆き続けていたのですが、数十年経って神殿再建の気運が起こり始めました。紀元前500年頃のことです。
預言者ハガイは神さまの声を聞きました。
「山に登り、木を切り出して、神殿を建てよ。」
「わたしはそれを喜ぶ。」
そこでハガイはその言葉を人びとに伝えて言いました。
「わたしはあなたたちと共にいる、と主は言われる。」
それまで人びとには迷いがあり、ためらいがあり、勇気と自信がありませんでした。しかしこのとき、神さまは指導者たちと人びとの心を奮い立たせられました。心を動かされた人びとは立ち上がり、出かけて行って神殿を建てる作業に取りかかったのです。
この礼拝堂は今からおよそ90年前、心を奮い立たせられた人たちの熱意と努力によって建築され、長く人びとの祈りの場、また憩いの場として用いられてきました。信徒にとっての心と生活の拠り所であることはもちろん、広く一般の方々にも愛されてきました。
これをさらに将来50年、100年、さらにその先にまで生かすために、多くの方々のご協力に支えられて、いま工事を開始しようとしています。
昔、預言者ハガイをとおして神さまが人びとの心を奮い立たせて工事に取りかからせ、完成させてくださったように、神さまがわたしたち一同の心を奮い立たせて、困難を乗り越えさせて、完成へと至らせくださることを信じ、またお祈りいたします。
全能の神よ、あなたはわたしたちに日本聖公会奈良基督教会礼拝堂の耐震対策工事をしようとの良い願いを持たせてくださいました。どうかこの土地と工事を祝福し、働く人びとを守って災害を防いでください。どうかわたしたちを励まして、この計画を完成させ、み名の栄光を現わすことができるようにしてください。ここがあなたご自身の宿られる場、また多くの人々の祈りと憩いの場であり続けるように祝福をお与えください。父と聖霊とともに一体であって世々に生き支配しておられる主イエス・キリストによってお願いいたします。アーメン
(司祭 井田 泉)