本日の通読箇所「マタイによる福音書14:1~12」
ヘロデはヨハネを殺そうと思っていたが、民衆を恐れた。人々がヨハネを預言者と思っていたからである。
(マタイによる福音書14章5節)
「サロメ」というオペラをご存じでしょうか。ヘロディアの娘サロメ(聖書には名前は出てきません)を主人公とした劇です。彼女は踊りを踊り、母の願い通り洗礼者ヨハネの首を求めます。お盆に乗った首を母の元に持っていくサロメの姿は、想像するだけで非常に怖いものです。
「邪魔な者」、「自分を非難する者」、へロディアはその存在を消したかった。わたしたちにもないでしょうか。「この人さえいなければ」と考えてしまうことが。
実際に手を掛けなくても、その思いが「人を殺す」ことになるのです。聖書が伝える恐ろしい描写は、実はわたしたちの姿なのかもしれません。