日ごとの聖書(5月19日)

本日の通読箇所「詩編60:8~14」

どうか我らを助け、敵からお救いください。人間の与える救いはむなしいものです。

(詩編60編13節)

詩編の中には、いわゆる“民族主義”的なものが見られます。この詩編60編もその一つだとされます。これらのものは「聖戦の神学」と呼ばれることもあり、考え方によっては危険なものです。

8節から10節は共同体の祈りに対する神さまの応答です。神の民は今、辛苦をなめているが、神自らが出陣し、それらの敵から解放してくれる、そのようなことですが、そこに元々住んでいた人たちにとってはたまったものではありません。

聖公会では朝夕の礼拝や聖餐式で、詩編を読む場面があります。しかしこの詩編60編を含め民族主義が色濃く出ている詩編は用いなくてもよいことになっています。それでも朝夕の礼拝で、「えっ?」と思う表現の詩編が読まれることもありますが。