本日の通読箇所「使徒言行録22:22~30」
これを聞いた百人隊長は、千人隊長のところへ行って報告した。「どうなさいますか。あの男はローマ帝国の市民です。」
(使徒言行録22章26節)
パウロはここで、伝家の宝刀を抜きます。パウロは自分がローマの市民権を生まれながらにして持っていることを伝えたのです。当時、世界で大きな勢力を誇っていたローマ帝国の市民であることは、大きな後ろ盾となりました。
実際大隊長は、多額のお金を出してローマの市民権を得たそうです。しかしパウロはなぜ、そのことを今まで黙っていたのでしょうか。市民権のことを口にすれば人々の態度が変わるということを、パウロは知っていました。
しかし最後まで、地上の権威には頼りたくなかったのかもしれません。でもこのまま拷問にあうことで福音を宣べ伝えられなくなることは、どうしても避けたいことでした。ギリギリのタイミングで、パウロは市民権のことを語ったのでした。