本日の通読箇所「詩編44:1~9」
神よ、我らはこの耳で聞いています 先祖が我らに語り伝えたことを 先祖の時代、いにしえの日に あなたが成し遂げられた御業を。
(詩編44編2節)
「勝利の回想と嘆願」:救いを求める共同体の祈りです。これまでの詩編には個人的な嘆願が多く見られました。この詩はイスラエルの人たちが、共同体として神さまに対して祈っている内容になっています。
4節までのところで作者は、神さまがなさってきた救いの歴史を思い返します。ここに見られる考え方は、神さまが王として土地を勝ち取られ、その土地がイスラエルの人々に与えられたというものです。
この思想が根底にあるから、中東地域に平和が訪れないのかもしれません。「これがあなたのお望みでした」と言い切ることによって、それを阻害する人たちは「敵」と見なされ、その敵を排除することが「正義」になってしまうのです。悲しいことです。