日ごとの聖書(5月 16日)

本日の通読箇所「マルコによる福音書7:31~37」

そして、天を仰いで深く息をつき、その人に向かって、「エッファタ」と言われた。これは、「開け」という意味である。

(マルコによる福音書7章34節)

イエス様は天を仰いで深く息をつかれました。「深く息をつく」を原語に忠実に訳すと、「嘆息」となります。その意味は、「嘆いてため息をつくこと。甚だしく嘆くこと」です。単なる深呼吸ではなく、「嘆き」がその中にはあるのです。

イエス様は、激しい感情をあらわにされました。奇跡をおこなう前の精神の高ぶりもあったでしょう。また悪魔的な力に対する怒りや、自分の力でどうすることもできない人間への憐れみもあったかもしれません。

イエス様は耳が聞こえず舌の回らない人に手を置くだけでなく、指をその両耳に差し入れ、それから唾をつけてその舌に触れられました。彼に心から寄り添われたのです。