本日の通読箇所「使徒言行録19:35~40」
諸君がここへ連れて来た者たちは、神殿を荒らしたのでも、我々の女神を冒瀆したのでもない。
(使徒言行録19章37節)
群衆による騒動を静めたのは、町の書記官でした。しかし彼は、パウロたちの考えに賛同していたわけではありません。それよりもまず、エフェソの人々のアルテミスに対する信仰を肯定していきます。
アルテミスは女神だったようですが、その存在自体は否定されていないはずだ。そして神殿も荒らされておらず、また冒涜もされていない。だから何かあるのであれば、ちゃんと裁判に訴えなさいと、書記官は言います。
至極真っ当なことを、書記官は語っています。しかしその裏には、「暴動の罪の責任は負いたくない」という思いがあったようです。町の秩序を守ることを再優先にした彼の判断は、正しかったと言えるでしょうか。